こんにちは!BAKE FIRSTです(・ω・)ノシ
今回の授業は「"イーストを多くするとパサつく"これ実は半分間違い」について。
イーストが多いとパサつきますって表現だと、パサつく原因はイーストそのものだと言ってるように感じますよね。
これ結構勘違いしてる人多いと思うんですが、イースト自体がパンをパサつかせるわけではないんです。
じゃあどう言うことかと言うと、イーストを多く入れるとその分発酵が早く進みますよね?
極端な話、イースト0.8%なら27℃で120分の一次発酵ができるけど、イースト1.4%で120分も発酵させたら圧倒的に発酵オーバーになりますよね?
一次発酵だけじゃなく、ベンチタイムも最終発酵も全て短くせざるを得なくなります。
結果的に、粉と他の材料を混ぜ合わせてから焼くまでの「パン生地が生のパン生地として存在する時間」が短くなるということ。
この時間が短くなることで、粉のデンプンが水分を吸ってしっかり抱き込む「水和」の進み具合が浅くなります。
粉のタンパク質であるグリアジンとグルテニンが水を吸うのは早いけど、でんぷんがしっかり水を抱き込むのはじっくり時間が必要なのです。
これが、「イーストを多くするとパサつく」の真相です。
「それなら、イースト多くする=パサつく、って言って良くない?」
って思ったら大間違い!
イーストをあまり少なくしなくても、通常のストレート法と同じ使用量のまま、そして湯種法など特殊な製法を使わずともパサつきを軽減する方法が一つだけあります。
それが「低温長時間発酵」つまりオーバーナイトです。
例えばインスタントドライイースト1.2%配合のパンだと一次発酵は60分であることが多いですが、これを低温長時間発酵にすると室温で10分仮発酵させた後に、冷蔵庫で一晩寝かせるような感じになります。
(仮発酵時間は生地量や使う冷蔵庫の冷却能力によりますが)
冷蔵庫に入れてから生地が芯まで冷えるまでの間、温度が徐々に下がっていく過程でも発酵はじわじわ進みます。
ちょうど良い発酵具合になったところで生地温度が下がりきってそれ以降の発酵速度は著しく遅くなります。
なので発酵オーバーになることなく、でんぷんに水を吸わせる時間は長時間確保できる。
こういう原理があるから、「イーストがパサツキの原因」だと断言は出来ないのです。
決してイーストが悪さをしているわけではないのです。
とはいえ、たまーに超短時間で作るレシピとかでイーストが2%とか3%とかっていう超多いレシピだと、生地が冷え切るまでの間で発酵が進み過ぎてしまう危険性が高いので、流石にそれはイースト減らさないとうまく作れないです。
一瞬で生地の芯まで温度を下げることができればまだしも…それは難しいですからね。
今回の授業はここまで!