こんにちは!BAKE FIRSTです(・ω・)ノシ
今回の授業は「酵素活性の強い粉を使いこなす方法は発酵力」について。
小麦の穀物としての風味が残っていて香ばしいパンが焼けると評判の石臼挽き小麦粉や灰分の高い小麦粉。
これらは大抵、生地の熟成に貢献する「酵素」も多く残っています☝️
デンプン分解酵素は生地のでんぷんを麦芽糖まで分解するので自然な甘味が増し、また無糖生地ではその麦芽糖が発酵に必要なエサになります。
タンパク質分解酵素は生地のタンパク質をアミノ酸まで分解して旨味を増します。
このように酵素は美味しいパンを作る上で(特にハード系において)非常に役立つものですが…
このメリットは同時にデメリットでもあります。
でんぷんが糖分になれば、糖分は水分に溶け込み液化しベタつきを増します。そして生地の「壁」が減るわけですからその分緩みます。
生地の緩みが速くなる分、腰高で上にしっかり膨らむ力が早くに無くなることになります。
配合であれば水を減らして硬めに仕込むとか、一次発酵であれば普段より早めにパンチを入れるとか、そういった対処は可能ですが…
それでも最終発酵で緩みやすいのに変わりはありません。
成形をいつもより強めに締める、でも調整は多少できますが限度があります。
だからいつもより早く焼いちゃう必要があるのですが、それだと結局焼き始めの炭酸ガス量が少ないわけだから、その炭酸ガスは熱で膨張して生地を膨らませる大きな役割を担っているのでやはりボリュームは劣ります。
また、あまり水分量を減らしすぎると結局しっとり感や老化速度はマイナスになってしまうからあまり減らしすぎたくはない。
そんな時は、やっぱりイーストの量を増やすのが手っ取り早いです。
生地のコシが腑抜けてしまう前までに、ガツンと膨らむために必要な炭酸ガス量を生産してもらう。
そうすることで、コシが抜けてしまいがちな酵素活性高めの粉でもうまく焼くことが出来ます。
もちろん、他にも焼成温度を工夫したり、色々な調整方法がありますが、その中の一つとしてあくまで参考程度に👍
少なくとも、普通の金属ローラーで挽いた粉(市販粉のほとんどはそれです)とは使い勝手がまるで違うから、配合やら工程やらを大きく舵取りする必要があるんだよ、ということを頭に入れておきましょう。
今回の授業はここまで!