バゲットのクープ開くかどうかは成型が9割!だけど…

こんにちは!BAKE FIRSTです(・ω・)ノシ
今回の授業は「バゲット(フランスパン)のクープ開くかどうかは成形が9割。だけど…」について。


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こちらの動画で僕は「フランスパンのクープを開かせるには成形が重要だ」とお伝えしました。
これは紛れもない事実です☝️
実際にパン屋さんでは、クープが開かない時に知識の浅い人ばかりの職場だと窯担当がまず詰め寄られてしまいますが、成形の人が変わるだけで一気に改善されちゃった…なんてパターンよくあります😅
むしろ、業務用のデッキオーブンを使っていれば、よほど変な事しなければクープは意外と簡単に開くもんなんです。成形さえちゃんと出来ていれば。

 

なので、成形ができている事、これは大前提として必要な条件です❕

ですが、じゃあ成形だけ出来ていれば良いかというと、残念ながら家庭用オーブンだとどんなに成形が上手に出来ていてもパン屋さんのように綺麗に開かないことも多いです。

 

これはわりと仕方のないことで、業務用のデッキオーブンでフランスパンを焼く場合、釜の床石(炉床)に直接生地をのせられるので、さらに下火の設定が出来るため下から直接熱を伝える事ができます。
ですが家庭用オーブンのほとんどはコンベクションタイプ。熱をファンで循環させて食品を加熱する方式で、下火設定もできません。
いくら天板を入れて予熱したとしても、天板そのものが自動で温度調節されるわけではないので、天板に生地を乗せたら天板の温度が生地に奪われて温度が下がります
そのため下火性能の点でまず劣っている事。
さらに熱風循環ですから、要するに風が生地に当たるわけです。しかも生地全体にわりと均一に。
クープの切り込み内部は本来熱が当たりにくく、いつまでも焼き固まらないからそこから膨張して開くのですが、感覚的にですが熱風循環だとやはりクープ内部にも若干熱が行きやすいです。(もちろんそれでもクープ内部というのは熱は行きにくいことに違いないのですが、程度に差があります)
スチーム量の違いも当然影響アリです。
そういったさまざまな事情があるので、家庭用オーブンだとクープが開きにくいのは仕方ないのです😔

 

だからといって、クープが開かないままで良いかと言うとそうではありませんね。
クープがしっかり開けば、その分自由な膨らみが得られる、それは火通りの良さに繋がって口溶けや味わいの良さに繋がります。

 

じゃあどうするか?
まず天板をアツアツに予熱しておくのは大前提ですね。
その上、下火機能が無くて生地を乗せたら天板は生地に温度を奪われ下がってしまうのですから、事前の予熱は少し温度高めにしておくのです。

加えて最も手っ取り早いのはクープにオイルを垂らす事。
これやるだけで、クープかなり開きます。


「バゲットにオイル使うなんて邪道だ!」って僕も昔は思ってましたけど、そんなことを言ったらパン屋さんは発酵用の番重にスプレーオイル吹き付けてますし、何かしらでオイル成分には触れる事になるので全てが邪道と言うことになってしまいます。
今の僕は、生地に練り込んでるわけじゃないんだからエエやん、って考えです。


オイルを使わないことが目的なの?違うよね、美味しいフランスパンを作るのが目的のはず。
たくさんの石を予熱しておいて水をかけてスチーム増やすとか、色々やってきたけどどれも手間と時間がかかります。
オイル垂らすだけなら手間も時間もほとんど変わらない、それなのに効果は絶大で味への影響も無いです。
まずはクープオイルを試してみて、その上でさらに追求したいなら石を使ったりピザストーンを天板に乗せてアツアツにするとか様々な工夫を試せばいいと思います👍

 

今回の授業はここまで!