上達するパン作りの「考え方」by BAKE FIRST

知っておくだけでパン作りが上達する「考え方」のコツをご紹介します!

パンは食感も味の一部として考えてレシピ作ると良いよ

こんにちは!BAKE FIRSTです(・ω・)ノシ
今回の授業は「食感も味の一部として考えるべき」について。

 

美味しいパンのレシピを作りたい!
教科書通りじゃなくて自分のアレンジを加えたい!
パン作りに慣れてくると誰しもが思うことですね😊

 

菓子パンなら教科書通り砂糖多めの菓子パン生地で同量のフィリングを包むところ、あえて低糖生地をチョイスしてフィリングの量を変えたり、メロンパンなら皮のクッキー生地の配合を変えたくなったり…
意外と菓子パンってアレンジの幅が広いですよね😱


惣菜パンも教科書通りだと食パンよりは砂糖・油脂多めの、でもバターロールよりは油脂少ないいわゆるロールパン生地を使う事が多いですね。これもさらに低糖仕様にしたくなったり…

 

味覚の学問での理論で話すと、菓子パンで使うパン生地を低糖にするのはとても良いです☝️
本来人間は味が大きく異なる2種類を同時に食べた時に「ヘテロ感」をより強く感じて美味しいと思うものです。
ヘテロ感…要するに味のコントラストです。
砂糖も油脂も使わないフランスパンにバターとあんこを挟む「あんバターフランス」は、普通の食パンやロールパンよりも相性良く感じると言うか、すごく味が強調されて感じますよね🤔
しょっぱい物と甘い物を交互に食べると幸せな気分になるのもヘテロ感によるものです。

 

そうです、本来なら菓子パン生地より食パン生地の方があんぱんもクリームパンもホントなら美味しくなるはず。

はず…なんですが実際にはそうとも限らない。

 

それは、パンの味わいには味覚的な科学だけでなく、食感も大きく影響しているからです❕

 

何も食感が味わいに影響するのはパンだけじゃないですよね。ちょっと脱線しますが、きのこ類って旨み成分たっぷりですよね。
旨み成分はアミノ酸など体に必要不可欠なものですから、人間は本来すごく欲するはずなんです。
でも、キノコ類全般が嫌いって人、多いですよね。僕もですw
あの独特な香りがそもそも苦手って人もいるかもしれないけど、例えば五目ご飯のようにシイタケの旨味と香ばしさを利用してしいたけ食べてる感は限りなく少なくしたものならむしろ美味しく食べられる人も多いはず。僕もそうですから。
でも、もしカットしいたけが大きかったら、やっぱり苦手です。
つまり、食感で損してる食べ物ってのが世の中には一定数あるんです。

 

話を戻しますが、パンも食感がすごく大事だと思うんです。
見た目パンだと思って食べたらぜんぜんふわふわじゃないしカリカリでもなく、ただとにかく膨らみが悪かった、なんて状況だとホントに美味しいとは思えないはずです。

あんぱんやクリームパンだったら、日本人の多くは砂糖多めの菓子パン生地で作られた歯切れの良いふわっとした生地が脳内に刷り込まれています。
なので、それをイメージしながら実際食べたら歯切れ悪かった…だとちょっとビックリします。
ビックリの後に良いギャップを感じられたら良いんですが、あんぱんやクリームパンは中身の具材に食感というものがほとんどありません。
パンがあまり歯切れ悪いと、パンの食感に気を取られて中身を味わう余裕が無意識的に無くなってしまう感じがします。
具材がトンカツとか味も食感も主張がかなり強いものだったら、歯切れの悪いハード系なんかでも全然問題ないんですけどね。

 

メロンパンだと更にパン生地の食感とクッキー生地の食感のバランスが重要です。
以前、中身のパン生地がモチモチで引きが強くクッキー生地が(湿気ったのか)しっとりネチョッてしていてサクサク感が無いようなメロンパンに出会ったのですが…
パン生地の食感が強すぎて、しかもクッキー生地の食感は弱すぎて、メロンパンで本来味わいたい食感のコントラストは皆無に等しかったです。
やっぱり、なんかコレじゃない感が拭えなかったです。


個々人の好みの問題もあるんだろうけど、食感のヘテロ感が弱まってるという意味では科学的にも劣っているメロンパンだと言えそうです。(食感のコントラストでもヘテロ感はあるのです、言い忘れてました)
多くの人が味わいたいメロンパンの潜在的イメージを覆すのはなかなか難しいものです。

 

とはいえ、あんバターフランスのようにパンの食感が強くても問題なく美味しく食べられるものもあります。
恐らく、ぱっと見硬そうって思ってから食べるのとそうでないのでは、実際の食感に対する印象が変わるのかもしれません。

 

だから、一概に「具材を邪魔しない食感のパン生地を使え」とはいえませんが、全く意識しないよりはある程度頭の片隅にでも置いとくのが良いんじゃないかな〜、と。
「フランスあんぱん」って名前で売られてて、歯切れ良さそうだな〜ってイメージする人はほとんどいないはずです。食感に対する初期期待値が普通のあんぱんとでは異なるんですよね。
(これで逆に歯切れめっちゃ良くてパリっ!なんて音したら、良いギャップを感じそうですけどね)

 

あくまで考え方の一例として、参考にしてみて頂けたら🙏
かなり個人的な意見が入ってるので、人によっては真逆のことを言う人もいるかと思いますが、それはそれで間違いじゃなく、価値観や感じ方の違いですから、いろんな考え方があるんだな〜程度に柔軟に取り入れてみて下さい☝️

 

今回の授業はここまで!