アルカリイオン水の特徴の一つである「物質からエキスを抽出する能力が高い」。
これは、パン生地に含まれるアルカリイオン水が副材料として入れたくるみなどの固形物からも味を抽出して、パン自体の味がよく馴染んで美味しくなるのではないか?
そのような考えから、実際にアルカリイオン水でクルミぱんを作って検証してみました!
結果として、非常に香ばしさが際立クルミぱんが完成したので、検証結果としてレシピ公開致します。
~~材料はこちら~~
配合(60g×5個分)
材料 | BP(%) | 重量(g) |
---|---|---|
強力粉(カメリヤなど) | 100 | 140 |
上白糖 | 10 | 14 |
食塩 | 2 | 2.8 |
スキムミルク | 3 | 4.2 |
セミドライイースト | 1.2 | 1.6 |
アルカリイオン水 | 70 | 98 |
無塩バター | 10 | 14 |
くるみ | 25 | 35 |
合計 | 221.2 | 309.68 |
※その他の材料
手粉(仕上げ化粧用)…お好みで適量
工程概要
フロアタイム…27℃ 20P25
ベンチタイム…15分
ホイロ…38℃ 30~40分
焼成…220℃予熱 210℃ 10分
~~レシピの意図と注意点~~
配合の意図
サンドにも使えるけどパン単体で食べても美味しいを目指し、ちょうどいい塩梅の砂糖量とバター量を採用。
工程の意図と注意点
- くるみはパンの水分を吸ってパサつきの原因となるため、事前にゆでることで水分を吸わせてパサつきを防止する。
- 茹でることでくるみのえぐみがちょうどいい具合に抜ける。アルカリイオン水で3分茹でると成分を抽出しすぎてくるみの特徴が薄れてしまうため水道水でOK。程よい雑味が良い風味になります。
~~作り方はこちら~~
計量・下処理
くるみの処理(前日)
- くるみを鍋で3分茹でて水分を吸わせる。
- ザルで水気を切り、しばらく冷ます。数分で表面が乾く。
- 冷蔵庫で保管する。
ミキシング
一次発酵・分割丸め・ベンチタイム
- 27℃ 20分の一次発酵。
- パンチをする。生地を引き伸ばすように三つ折り後、向きを変えてくるっと一つ折りで表面を張らせる。
- 27℃ 25分の再発酵。
- 生地を1個60gに分割し、表面を張らせるように丸める。
成型・二次発酵
- 手で軽く押さえてガスを抜く。
- 生地を裏返して上1/3をたたむ。
- 下1/3もたたむ。(一旦180℃向きを変えて、上からたたむほうがやりやすい)
- さらに真ん中で一つ折りにしてとじ目をしっかり閉じる。
- 手で転がして長さを伸ばす。
- 38℃ 30分の二次発酵。
- 発酵室から5~10分出して表面を程よく乾かす。
焼成前加工・焼成
- オーブンは事前に220℃で予熱しておく。
- お好みで手粉を振る。
- クープをお好みで。入れなくてもOK。
- 210℃ 10分の焼成。
まとめ
最初に試したときはくるみもアルカリイオン水で3分茹でたのですが、これだとえぐみはかなり抜けますが同時にくるみ特有の雑味が消え、くるみパンとしては物足りない、ただのナッツパンのようになってしまいました。
これはこれで美味しいのですが、やはり程よく雑味を残しておいた方が、くるみが引き立ち風味も良くなります。
なので、くるみを茹でるのは水道水でOKでしょう。アルカリイオン水で茹でるならそれこそ1分以内とかになりそうですが、目的はしっかり水分を吸わせることにあるので短すぎも避けたい。
断面の写真を撮り忘れたのでお見せできないのですが、生地に配合したアルカリイオン水の「成分を抽出しやすい」という効果の影響か、茹でたくるみであってもクラム(パンの内側)はくるみの色が染み出て少し紫がかってしまうようです。
くるみパンってそういうもんだよね、と思えばそれまでですが、気になる場合は全粒粉を配合するなどして生地自体の色を根本から濃くして目立たなくするといいでしょう。
材料の相性もとてもいいので、風味のグレードアップにもつながり一石二鳥と思われます。
次の機会には全粒粉とくるみの組み合わせで、レシピ作ろうと思います。
byなおちゃん
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