移転しました。
約3秒後に自動的にリダイレクトします。
こんにちは！製パン科学研究家の"BAKE FIRST"です（・ω・）ﾉｼ
「強力粉の代わりに薄力粉でパンは作れる？」
と疑問に思ったことありませんか？
今回は薄力粉でパンを作ることは出来るのか、強力粉とどんな違いがあるのか、実際の検証を交えて解説します。
↑クリックで応援お願いします！
薄力粉は強力粉の代用として使えるのか？
「代用」という言葉をどう捉えるのかによって答えが変わってくるので、ここでは「全く同じモノかほとんど似たようなモノが作れること」という意味で話を進めます。
その前提で行くと薄力粉は強力粉の代用にはなりません。
しかし、薄力粉でパンを作ることは可能です。
強力粉で作るパンとは配合や仕上がりも全然別物にはなりますが、強力粉パンでは味わえない独特な美味しさが味わえるパンを作ることが可能です。
薄力粉で作ったパンの特徴
- 歯切れ・口溶けがバツグンに良い
- ほんのり甘い香り
通常の強力粉で作ったパンは、グルテンが多くかつ強靭です。グルテンはたんぱく質の結合体ですから、多いほど噛み切りにくくムギュっとした歯ごたえが増します。このような歯切れの悪さを「引きが強い」とも言ったりします。
薄力粉はグルテンが少ないため非常に歯切れが良く、グルテンが少ない分だけでんぷん割合が多くなっているため口溶けが良いです。
でんぷんは唾液中の酵素「アミラーゼ」によって消化されますが、グルテンは唾液では消化できません。それが口溶けに差が生まれる悪しの原因です。
また、強力粉で作ったパンはワイルドな小麦の香りがする傾向にありますが、薄力粉はどちらかと言うとほんのり甘さを感じる香りです。
薄力粉で作るパンのデメリット
- 吸水能力が劣るためパンが老化しやすい
- しっとり感も両立しようとするとベタついた生地になる
- 最終的な製品ボリュームが小さくなる
薄力粉は強力粉に比べてグルテンが少ないため、吸水能力が劣ります。
なので比較するとどうしても強力粉パンより老化が早いです。
また、強力粉生地と同じ程度の扱いやすさまで吸水を減らすとかなりパサついたパンになるため、最低限しっとり感も確保したパンを作ろうとするとどうしてもベタつきが強く柔らかい生地となり、手粉が必要だったりと扱う難易度がやや高くなります。
そしてグルテンが少ないため生地のガス保持力も低下し、どんなに上手に作ったとしても最大限の大きさは強力粉パンに敵いません。
薄力粉でパンを作ってみよう！
強力粉で作る前提のレシピを薄力粉に置き換えて作るのは、吸水を減らしたりレシピの調整が必要となるため、慣れていない方にはオススメできません。
ですが、薄力粉だけで作るパンにはそれでしか味わえない美味しさがあるのも事実で、この美味しさを是非とも皆さんにも体感してもらいたいと思っています。
そこで、僕が開発した薄力粉パンのオススメレシピと、薄力粉でパンを作るにあたっての注意点をお伝えします！
おすすめの薄力粉パンレシピ
①オーバーナイトで超しっとりふわふわ！薄力粉100%の角食パン
薄力粉100%パンの大きなデメリットである「老化の早さ」を、オーバーナイト法を採用することで解決した究極の薄力粉パンです。
薄力粉パンとは思えないしっとりフワフワ食感と、薄力粉でしか味わえない至高のサクみと口溶けを両立した新感覚の角食パン。
使用する食パン型はこちらです。
②ストレート法で作る基本の薄力粉100%山食パン
「パッと見、薄力粉100%で作ったとは誰も信じてくれない」
そんなクオリティに仕上がる基本的な薄力粉食パンです。
①のレシピとは違い生地を作ったその日のうちに焼きあがるので、まずは基本を体感したい方や手軽に作りたい方にもオススメ。
※その日のうちにスライスして冷凍しましょう。
使用する食パン型はこちらです。
③手軽に作れる薄力粉100%ミニ食パン
「いきなり食パン１斤で作るのは大変そう…」
「失敗したら無駄がデカイな…」
そんな不安がある方は、粉150gで作れるこちらのミニ食パンのレシピでトライアルしてみてはいかがでしょうか？
【薄力粉だけ】最高の口溶けとサクみが味わえる懐かしミニ食パン - YouTube
貝印のスリムパウンド型があれば美味しく焼くことが出来ます！
※セリアに売っている似たサイズのパウンド型でも良いですが、火通りがだいぶ劣ります。
注意点
水を減らさずレシピ通り作ってみること
ご提案した薄力粉パンのレシピは、全て僕が薄力粉100%で作る用に配合を調整済みです。
ある程度の作りやすさと美味しさを両立することが出来る絶妙な配合となっています。
「なんだか普段使っているレシピよりベタつくなぁ」
と感じても粉を追加しないでください。その時点で美味しさは半減します。
「そうは言っても、ベタベタしてたら捏ねられないじゃん！」
と思う方は、そもそもパン生地のこね方が間違っている可能性が高いです。なぜならパン生地の捏ね始めはベタベタするのは当たり前で、正しい捏ね方ならベタつく生地も捏ねられるからです。
以下に正しい捏ね方が学べる動画のリンクを２つ張っておきます。
お世辞抜きにパン屋レベルのパンが作れるようになりますので、ぜひマスターしてください！
【パン生地のこね方】パン屋レベルのふわふわパンを作るコツ - YouTube
手首を痛める捏ね方してませんか？手ごねの正しいコツを見直して安全に楽しみましょう！ - YouTube
手粉を適量使うこと
レシピ通りの配合で良い生地が捏ねあがった場合、例え生地表面がツヤツヤ滑らかでも多少のベタつきがあります。
先述のとおりミキシングでは粉を追加してはいけませんが、分割丸めや成型では生地が作業台や手にべったりとくっついてしまわないように手粉を適切に使いましょう！
手粉に使う粉は普段通り強力粉で構いません。
どのくらい手粉を使うべきなのか、についてはレシピ動画を参考にして自分なりにコツをつかんでみてください。
少なすぎも多過ぎもNGです！
※これは薄力粉パンに限らず全てのパン作りに共通の注意点です。
なるべく早めにスライス冷凍しよう
一般的にネット上に出回っているような薄力粉100%パンのレシピに比べたら、ある程度パサつきの抑えられたパンになるレシピをご提案しています。
ですがそれでも上質な強力粉パンに比べると老化は早いです。
なので焼きあがって十分に冷却したらなるべく早いうちにスライスして冷凍保存することをオススメします。
ご提案したパンレシピに関しては、生で食べるよりトーストしてサックリ感を味わっていただく方がより美味しく召し上がって頂けるはずです。
まとめ
薄力粉で作るパンは一度食べたら中々忘れられず、定期的に思い出しては食べたくなってしまいます。
なかなかパン屋さんでは売っていないので自分で作るしかないのですが、だからこそ皆さんに一度作って体感してみて欲しいです。
パンを作れる人だけが味わえる特権です！
ぜひここで解説した注意点などを意識して、美味しい薄力粉パンを作ってみてください。
2023/05/21
by BAKE FIRST（製パン科学研究家）
