パン作り初心者がまず一番最初に難しく感じるものが、ベーカーズパーセント。
今回は、超初心者向けにベーカーズパーセントを正しく理解する前に、超簡単に使える裏技的な考え方と、ステップアップしたい方向けにご紹介します!
まずは簡単な方法で試していただき、物足りなくなってきたらまたこの記事に戻ってきて本格的な扱い方を身に着けてくださいね。
私が小学生の頃に使っていた超簡単ベーカーズパーセント計算方法
参考として基本の食パンのレシピで説明します。
材料 | BP(%) |
---|---|
強力粉 | 100 |
上白糖 | 6 |
食塩 | 2 |
スキムミルク | 3 |
インスタントドライイースト | 1 |
水 | 70 |
無塩バター | 6 |
合計 | 188 |
ざっくり粉200gで作りたいなっていう時はベーカーズパーセントの数値それぞれを2倍にしていきます。粉250gで作りたいならそれぞれ2.5倍です。
つまり、ベーカーズパーセントの数値を「粉100gで作る場合の分量」と捉えるのです。
私が小学生の頃は、このような解釈でやっておりました。今でも一々細かく考えるのがめんどくさい時はこのやり方でやっちゃいます。
プロの現場では、その日作らなきゃいけない個数が決まるため、過不足ないようにしっかり考える必要がありますが、ご家庭で作る分にはそこまでストイックにやるよりはラフにやったほうが楽しいですからね!
本来の考え方
ベーカーズパーセントを用いた本来の考え方は、
- 作りたいパン1個当たりの生地重量を決める。
- 生地1個あたりの粉の量を計算する。
- 作りたい数量分の粉の量を計算する。
- 各材料の分量を計算する。
このような流れで決めていきます。それでは実際に例を使ってやってみましょう。
2斤型の食パンを1本作る場合
~1.作りたいパン1個当たりの生地重量を決める~
半斤分の生地を4個型に詰めて作ることにします。
基本的には1斤440gの生地ですので、この場合は1玉220gを4個作ることになります。
~2.生地1個あたりの粉の量を計算する~
生地重量に含まれる粉の量を計算する計算式は、
「生地重量(g)÷合計BP(%)=粉の量(g)」です。
そのため今回は、「220(g)÷1.88=117.02(g)≒118(g)」これが生地1個220gに含まれる粉の量となります。
ここで注意してほしいのが、BPで割るときは普通の数字に直すこと。「220÷188」にしないようにしてください。
※現場では余裕をもってこの段階で更に繰り上げて120gを粉量とすることがありますが、ご家庭での製造量だと場合によってはかなり余りますのでここではそうしません。
~3.作りたい数量分の粉の量を計算する~
生地1個あたりの粉量を個数で掛けます。
「1個当たりの粉量(g)×個数=合計粉量(g)」
今回は4玉で2斤食パンを作りますので、「118(g)×4=472(g)」となります。
しかし、ミキシングや発酵などあらゆる工程において生地の水分がちょっとずつ抜けてしまう「発酵ロス」という現象があるため、このままだと分割時には生地が少し足りなくなってしまいます。
ご家庭で作る場合、「118(g)×4=472(g)≒480(g)」くらいに繰り上げておけばいいでしょう。
仕込む量が少ないほど、発酵ロスで減る率も高くなりますので、その場合はさらに繰り上げておくと安全です。
~4.各材料の分量を計算する~
これで、今回作るパンに必要な粉の全量がわかりましたね。
最後に、それぞれの材料の分量を計算します。
材料 | BP(%) |
---|---|
強力粉 | 100 |
上白糖 | 6 |
食塩 | 2 |
スキムミルク | 3 |
インスタントドライイースト | 1 |
水 | 70 |
無塩バター | 6 |
合計 | 188 |
求める計算式は、「粉の全量(g)×求める材料のBP(%)=求める材料の重量(g)」となります。
上白糖の場合は「480(g)×0.06=28.8(g)」、水の場合は「480(g)×0.7=336(g)」ですね。
この場合も先程と同様に、BPで掛けるときは普通の数字に直すこと。「480×6」や「480×70」にしないでくださいね。
全てを計算するとこのようになります。
材料 | BP(%) | 分量(g) |
---|---|---|
強力粉 | 100 | 480 |
上白糖 | 6 | 28.8 |
食塩 | 2 | 9.6 |
スキムミルク | 3 | 14.4 |
インスタントドライイースト | 1 | 4.8 |
水 | 70 | 336 |
無塩バター | 6 | 28.8 |
合計 | 188 | 902.4 |
何回か計算すればすぐ身につく
最初は本格的なベーカーズパーセントの計算をやるのは工程が複雑で戸惑うかもしれません。
ですが、数回やれば慣れてどんな分量どんな個数でも自在に分量を操れるようになります。
そうすれば、作りたい分に必要な分量だけ使えて、中途半端な余りが最小限で済むようになります。
いつも30gとか余っちゃってもったいないなぁと感じるストイックな方はぜひベーカーズパーセントの計算を身に着けることをオススメします。
以上、初心者でも簡単に使えるベーカーズパーセントの裏ワザ計算法と本格的な計算方法のご紹介でした。