こんにちは。パン作りでおそらく多くの人が入門編として作るであろうバターロール。
私は初めて作ったパンはちょっと特殊な、焼きたて‼ジャぱんに登場するジャぱん2号(炊飯器で手ごねして炊飯器で焼くパン)でしたが、そのあと普通のパンに挑戦するときはやはりバターロールが最初でした。
皆さんも、バターロールからパン作りを始めた方は多いのではないでしょうか?
ですが、意外にもバターロールの成型のコツや注意点というものを解説している本もサイトも少ない印象があります。
実際、そのせいでスーパーに売ってるような丸っこくてコロッとしているいわゆるザ・バターロールな形状にならなくて、なんとなくこんなもんかな?という思いで作られている方も多いのではないでしょうか?
そもそも形のコントロールなんて気にしてないようなレシピも見受けられるけど…(もちろんどれが正解でどれが間違いという話ではありません)。
なので、今回はバターロール成型のコツを解説し、原理をしっかり理解していただいてご自分の好みの形を自在に作れるようになっていただこうと思います。
原理を理解して作ることで、もっとふんわりボリューム感のある、お店に売ってるようなバターロールが作れるようになるかもしれませんよ
注意事項
この記事に添付している手順画像は、
①②
③④
⑤⑥
このような順番で見進めてください。
バターロール成型のコツ 手順に沿って解説
- ベンチタイムが終わった生地です。
- 手のひらで押さえて軽くガスを抜く。
- 裏返して上1/3を折り返す。
- 下1/3も同様に折り返す。右側が少し狭まるようにする。
- 手のひらで軽く転がし伸ばす。これを「バット型にする」といいます。
この段階で生地に弾力がついてしまい、このまま伸ばしても生地は縮んでしまうので最低5分休ませる。 - 生地の太い方を上にして置き、上の1~2センチ部分だけめん棒で仮伸ばしする。めん棒を上方向にかけるのはこの工程だけ。この工程で上の何センチ部分から伸ばすのかによってバターロールの形状が変わってしまいます。
- 左手を添えるように生地の細い方を持ち、6.で仮伸ばししたあたりからめん棒を下方向に向かって伸ばし始める。
- めん棒は右手付け根から転がし始めて右手指先までめいっぱい使う。この写真ではちょうど転がし一回目の終了時点。もう一回めいっぱい転がすようです。
- 最後まで伸ばした結果です。意外と寸胴であることがお分かりいただけますでしょうか?
レシピ本などでは涙型に伸ばすと解説しているところが多いかと思いますが、実際はほとんど寸胴で、ホントに先っぽの部分だけ少し先細りしていればいい程度です。 - 上の1センチ程度の部分を折り返して、巻き始めの芯をしっかり作る。ちょっとハリを持たせるくらいのイメージでOK。
- くるくると巻いていきます。この時、ハリは意識せずに、ゆったりとくるくる巻いていけばOK。
- 巻き終わりはわざわざつまむ必要はないけれど、ちゃんと真下になるよう天板に置く。横から見てしっぽが見えないようにすること。
大事なポイントと原理
巻き始める前は寸胴でしたが、巻くことによって圧力で巻き始めの部分はすこし広がって横に出てきていますね。
寸胴でゆったり巻いても結局こうなるから、伸ばしの時点で極端な涙型にする必要もないのです。
最悪、寸胴ではなく涙型寄りになってしまった場合、巻き始める前に広がってしまった部分を内側に無理やり折り返したりして幅を調節してもOKです。
また、巻きが強すぎても圧力で巻き始めの部分が横に広がりすぎてしまいます。その上、生地の締め付けによって十分な上方向への膨らみが得られず、横にばかり広がってボリューム感の無い焼き上がりになります。
食パンの場合、俵型成型の際には巻き始めだけでなく本巻きもそれなりにハリを意識することが多いですが、それでもモノによっては力加減を”巻き始め>本巻き”にすることがあります。
バターロールではその力加減をより顕著にすることが綺麗な焼き上がりにするコツです。「巻き始めの芯>>>>>本巻き」ぐらいの気持ちでいいでしょう。
あえてコロッとしていない形状にするには
いわゆる塩バターパンや塩バターフランスといわれるパンのように、横にも伸びている形状を作りたい場合もありますよね。
そんなときは、逆のことをすればいいのです。
- 上記の成型手順6.において、上の1~2センチ部分ではなくほぼ真ん中あたりから上方向に向かってめん棒で伸ばす。
- 真ん中から下の部分も、めん棒で下方向に向かって伸ばす。
- 上記の10.~12.の手順同様に、生地を上から巻いていく。
いかがでしたか?ほとんど寸胴な伸ばし生地より、少しだけ涙型っぽくなっただけでも、このようにコロっとしていない形状になってしまいます。
コロッとさせないロール成型の最たる例としてはドイツのザルツシュタンゲンというパンがあります。
これは、硬い生地をとにかく締め付けるように何度も手で転がし伸ばしながら巻いていくことで、巻き始め部分がどんどん横に広がっていき、その締め付けによって焼き上がりもボリューム感が抑えられた噛み応えのあるセミハードパンとなっているものです。
(気になる方はグーグルなどで画像検索してみてください。そのうち当ブログでレシピ記事を公開したら、ここに貼りますが今すぐにはご用意できません!)
まとめ
原理をしっかり理解することで、作りたいパンに応じて生地にどんな手を加えたらいいのかがわかってきます。
今回紹介したものが正解で他が間違いというわけではなく、あくまでコロッと丸っこい形にしたいのであればこういう原理を理解してこういうアプローチをとってくださいね、というものです。
ぜひ、今回理解できた原理を元にして、自分が本当に作りたい形を自在に再現してみてください!
以上、バターロール成型のコツ紹介でした!
byなおちゃん
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