グルテンとは?パン生地がふわっと膨らむ要の"本当の仕組み"を解説!

移転しました。

約3秒後に自動的にリダイレクトします。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

グルテンとは何か?

それは、たんぱく質と水の結合体です。

パン作りにおいて最も重要な要素となるグルテンですが、「グルテン」というたんぱく質が元々小麦粉に存在しているわけではありません。

正確には…

小麦粉と水を混ぜ合わせて生地(ドウ)を作った際に、小麦粉に含まれる「グルテニン」と「グリアジン」というたんぱく質が水を吸収し、それぞれが結合してできたものがグルテンと呼ばれています。

簡単な式で表すなら

「グルテニン+グリアジン+水 →物理的な力を加える→ グルテン」

このようなイメージです。

 


www.youtube.com

 

他の物では代用できないグルテンの性質

グルテンには「粘弾性」という、弾力がありなからも良く伸びる性質があります。

これはそもそも、グルテンの元となるそれぞれのたんぱく質の性質を継承したものです。

グルテニンは弾性、つまりゴムボールのような弾力をもった性質。

グリアジンは粘性、つまりベタベタでびよ~んとよく伸びる性質。

この二つの性質が合わさることでグルテンは独特な粘弾性を獲得します。

グルテニンの弾性があるからこそ、パン生地は形を保てるし、グリアジンの粘性があるから伸ばしたり広げたり自由に形を変えることができます。

この二つがバランス良く含まれているおかげで我々はパンを色々な形に作ることが出来ているのです。

(自然界にはこれほど人間に都合のいい性質を持ったものは他にありません。それ故に、小麦粉を使わずにグルテンフリーで本当にふわふわなパンを作るのは難しいのです。なぜかって?それは次の項目でわかります)

パン作りにおけるグルテンの役割

パン作りにおいてグルテンは「生地の骨格」という非常に重要な役割を担っています。

パン生地を捏ねる「ミキシング」という工程では、生地の骨格であるグルテンが酸素と結びつくことでより強靭になります。

さらに生地が幾重にも折りたたまれることで、強靭な骨格がさらに細かい網目構造となります。

それによってパン生地内で酵母菌により発生する炭酸ガスなどをより多く保持できるようになり、ふわふわで大きく膨らむパンが作れるのです。

ちなみに、小麦粉の主成分はでんぷんです。グルテンが柱ならでんぷんは壁と例えられます。

グルテンが生地の柱として急激な膨らみを支える役目を担いながらも、最終的にはでんぷんの壁がしっかり焼き固められることでパンの膨らみが維持されます。

生地からでんぷんを完全に洗い流してグルテンだけで焼いてみたことがありますが、これだと膨らみはしても結局焼きあがったら縮んでしまいました。

グルテンの割合を人為的に多くしてパンを焼いても、生地の弾力が強すぎたりでんぷんという壁が不足したりして、決してすごく大きく膨らむわけではありませんでした。

グルテンとでんぷんの絶妙なバランス加減がふわふわパンを作るのに重要だということですね。

 

グルテンは子持ち昆布のような分子構造

分子レベルで見ると、グルテニンは分子が直鎖状に何個か連なっており、グリアジンは分子が単体で存在しています。

結合してグルテンになると、細長いグルテニンの周りにグリアジンが付着するような形となり、それはまるで子持ち昆布のようなイメージです。(グルテニン=昆布、グリアジン=魚卵)

子持ち昆布のような形状のたんぱく質結合体が幾重にも複雑に織り重なって、パン生地骨格の網目構造を形成しています。

 

ふわふわパンを作るために必要な要素とは?

お店で売ってるようなふわっふわなパンを作るためには、このグルテンを上手に発達させてやることが必要不可欠です。

上手に発達させるとはどういうことか?

  • 十分に酸化させること
  • 網目構造を極限まで細かくする

大きく分けてこの2点が重要です。どちらも欠けてはいけない条件です。

ミキシングで生地に空気を混入させると、グルテンと酸素が反応を起こすことでより丈夫なグルテンとなります。

すると複数のグルテン同士が繋がって、より複雑かつ大きなグルテンネットワークとなります。

ざっくり言えばこれがグルテンの酸化です。

これはミキシングの度合いが浅くても、生地を放置する時間を設けることで酸化は進んでいきます。

ですが酸化だけではダメです。

捏ねない生地を長時間発酵でグルテンを丈夫にしても、ミキシングを十分に行った生地のようにはなりません。

ミキシング作業は生地を何百回と折りたたむ作業とも言えます。酸化して丈夫になったグルテン網目構造を、折りたたむことでさらに複雑かく細かい網目に織り重ねていく。この作業がなければ生地にガスを保持する能力はマックスまでたどり着けません。

捏ねない生地を多くのパンチで鍛えるだけでは、ミキシングの折りたたみ回数には遠く及ばないので、良く捏ねた生地と同じような仕上がりにはなりません。

手ごねで作る場合であっても、この2点を意識した動きをすることでパン屋さんに売ってるようなふわふわパンになる生地を作ることができます。

具体的なコツに関しては、僕のYoutubeチャンネルで解説しているのでぜひご覧ください!

【捏ね方】これだけ守ればパン屋レベルのふわふわパンが作れます - YouTube