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こんにちは!製パン科学研究家の"BAKE FIRST"です(・ω・)ノシ
ダイソーに売っているcottaのパンミックス粉は、揃える材料も少ないので初めてパン作りをされる方にオススメの商品ですが…
僕が試したところ、パッケージ裏面のレシピに沿ってその通りやるだけでは上手に作れません。
今回はダイゾーのパンミックス粉を使って上手にパンを作るコツを解説します。
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ダイソーで買えるパンミックスは2種類!
ダイソーでは2種類のパンミックス粉が用意されています。
それぞれ内包されている材料や用意する物、作り方が違います。
それぞれの商品情報を詳しく見ていきましょう!
※「たまごパンミックス粉」はイーストで膨らませるパンではなく、ベーキングパウダーで膨らませる焼き菓子の一種なので今回は割愛します。
cotta×ダイソー「パンミックス粉 プレーン」
「小麦粉・砂糖・植物油脂・食塩・脱脂粉乳」などがミックスされた、小麦味が楽しめる素朴なパンが作れるミックス粉です。
イメージとしてはステーキ屋さん等のパン食べ放題コーナーにあるような、甘さ控えめの普通の丸パンです。
cotta×ダイソー「パンミックス粉 オリジナル」
「小麦粉・砂糖・ショートニング・全粉乳・食塩・乳製品・全卵粉・植物性たんぱく」などがミックスされた、甘さのあるロールパンが作れるミックス粉です。
脱脂粉乳ではなく全粉乳が入っていたり、粉末全卵が使われていたり、プロがこだわるポイントがさらっと盛り込まれています。
レシピ通りの配合で作れば、甘くてしっとりしたバターロールになります。
「パンミックス粉 プレーン」でパンを作ってみよう!
用意する物
- 材料を計る器(ボウルなど)×3
- 材料を混ぜるゴムベラ
- 生地をカットするドレッジカード
- 捏ねる場所(こね台など)
加えて、本品とは別に自分で用意しなければいけない材料は「インスタントドライイースト」です。
その辺のスーパーで買える「ドライイースト」と書かれたものは全てインスタントドライタイプなので、それを買えばオッケーです。
※本来、「ドライイースト」と言うとパン業界では別のものを指し示すのですが、一般市場では商品名が省略されてしまいゴチャゴチャになっています。
計量の際の注意点
- 本品全量
- インスタントドライイースト1.0g
- 水50g
この配合はアレンジせずそのままで十分良いパンが作れます。
しかし、イーストの計量は出来れば0.1g単位で正確にやることをオススメします。
0.1g単位のデジタルスケールが手元にないなら、せめて1g単位のスケールで1.0gになるようイメージしながらピッタリ計ってください。
小さじ1/3を目視で計量しようとすると、大きな誤差が生じてしまいます。これだと発酵時間が安定しないので、時間の管理が難しくなります。
こちらがパン作りにオススメの0.1g単位デジタルスケールです。
他のものと比べて少々値段が高いですが、精度がバツグンなのでコレを使うだけでパン作りのクオリティが一気に上がります。
水の温度を調整しよう
パン生地はイースト菌の生命活動によって膨らませます。
そのため生地の温度で膨らむ速度が大きく変わってきます。
目標とする生地温度は27~28℃。
捏ね上がった生地がその温度になるよう水温を調整するのですが、ここで簡単な目安を提示します。
ミックス粉と水と室温の平均が22℃になるように調整すればOK!
なので、「22×3-粉温度-室温=水温」となります。
水温調整のより詳しい解説はこちらの記事をご覧ください。
※なぜ22℃なのか?それは捏ねていくうちに摩擦や手の温度で生地温が上昇して27℃くらいになるからです。
生地を作るコツ
パッケージ裏面のレシピには
「10分以上よく捏ねる」
と書かれていますが、パン生地の手ごねはただコネコネすればいいのではなく、正しいやり方があります。
ポイントは生地に酸素を取り込むイメージでズリっと捏ねる事。
通称「ズリっと捏ね」と呼んでいますが、これをやるかやらないかでパンの出来栄えは雲泥の差です。
こちらの記事でズリっと捏ねについて詳しく解説しているのでぜひご覧ください。
これをやると美味しさ半減
パン生地は捏ね始めはベタベタしていますが、捏ね進めるうちに生地が発達してベタつかなくなるものです。
特にこのパンミックス粉のレシピならとても扱いやすい生地になります。
ですが、最初からベタつくのが嫌だからと小麦粉をプラスしたり水を減らしてしまうと、ふんわり感に欠けパサパサした硬いパンになります。
「ベタベタしていて捏ねられない!」
と感じる方は、そもそも捏ね方が間違っている可能性がありますので、こちらの記事で正しい捏ね方をまずは習得してみてください。
あるいは、使っているこね台(こねマット)がやりづらさの原因かもしれません。
「生地が台やマットにくっついて安定しない」
そんな状況だと正しい捏ね方を実践することも難しいでしょう。
こちらの記事でたった一つイチオシのこね台を紹介しているので参考にしてみてください。
発酵時間や工程はこう変えよう!
レシピには「一次発酵 室温20℃で50分」と書かれていますが、これは無視しましょう。完全に発酵不足です。
この配合だと室温27℃で80分の一次発酵を推奨します。
春~夏は室温が丁度いい感じですが、秋~冬はオーブンレンジの発酵機能30℃を使えば良いでしょう。(寒すぎる部屋なら35℃設定を使ってもOK)
その代わり、丸パンとして焼くのであれば工程を一つ省略することが出来ます。
レシピ通りだと「分割→丸め→ベンチタイム→丸成型→二次発酵」ですが、「分割→丸成型→二次発酵」にしちゃってOKです。
二次発酵もオーブンレンジの発酵機能40℃で60~70分は必要です。
レシピのイースト量だとこのような発酵時間が最適です。上手に作りたいならこのようにアレンジして作りましょう!
イースト量と発酵時間には相関関係があります。増やせば短くなるし、減らせば長くなるし…詳しくはこちらの記事をご覧ください。
生地を丸く成型するコツ
パン生地の丸め方はいろいろなやり方がありますが、ここでは初めてパン作りをする人でも必ず上手に丸められる方法をご紹介します。
「パンミックス粉 オリジナル」でパンを作ってみよう!
こちらはプレーンよりも難易度が少し高めです。
なのでまずはプレーンの方から作ることをオススメします。
作り方の大まかな解説もプレーンと同様ですので、まずはプレーンの解説をご確認ください。
ここではプレーンと異なる細かな部分について解説します。
用意する物
- 材料を計る器(ボウルなど)×4
- 材料を混ぜるゴムベラ
- 生地をカットするドレッジカード
- 捏ねる場所(こね台など)
加えて、本品とは別に自分で用意しなければいけない材料は「インスタントドライイースト」と「無塩バター」です。
このミックス粉には食塩が既に入っているので、「有塩バターを使用する代わりに塩の量を調整する」という裏ワザができません。
塩の量は発酵力に影響を与えるので、必ず無塩バターを使用しましょう。
計量の注意点はプレーンと同様ですが、イーストの重量が1.5gという点で違いがあります。
生地を作るコツ
計量や水温調整などの注意点はプレーンと同じなので割愛します。
オリジナルはプレーンに比べて捏ね始めの生地のべた付きが強いです。
理由は砂糖と粉末油脂がより多く含まれているから。
ですが、ここで小麦粉を加えたり水を減らしたりすると美味しさは半減してしまいます。
正しい捏ね方を行えば必ず生地のべた付きは落ち着くので、まずはベタつきを我慢してしっかり捏ね進めましょう。
正しい捏ね方についてはプレーンの方で解説しているのでそちらをご覧ください。
バターを加えるタイミングは?
バターをはじめとした油脂は生地の発達を阻害する材料です。
故に、最初から加えてしまうと良好なこね具合を得るのが大変難しくなります。
なのでバターを加える前にある程度生地を捏ね進める必要があります。
よく言われるのが「生地が7割程度完成したら加える」という目安ですが、このミックス粉で言うなら生地のべた付きがほとんどなくなり滑らかさが現れたタイミングでバターを加えると良いでしょう。
※あくまでこのミックス粉と裏面レシピを使用した場合の話です。本格的なパンレシピなどではこの限りではありません。
発酵時間や工程はこう変えよう!!
裏面のレシピには「室温で60分の一次発酵」と書かれていますが、ふっくらとした美味しいパンを作りたいなら「室温27℃で70分」の一次発酵にすると良いでしょう。
この時、捏ね上がった生地の温度も27~28℃である前提です。生地温度が低ければ発酵速度も遅くなりますし、高ければ早くなります。
温度が大きくズレてしまった場合の対処法もこちらの記事で裏ワザを解説しているのでぜひご覧ください。
そして丸パン成型にするなら工程を一つ省略して構いません。
通常「分割→丸め→ベンチタイム→丸成型→二次発酵」ですが、「分割→丸成型→二次発酵」にします。
こうすることで歯切れの良さが向上します。
二次発酵はオーブンレンジの発酵機能40℃で35~40分程度で完了できます。
裏面レシピ通りの配合で作ると、プレーンよりオリジナルの方が発酵は早いです。
それはイーストの量が0.5g違うからです。
まとめ
ダイソーのパンミックス粉を使ったパン作りは、計量する材料の種類が少ないためとてもラクに感じました。
しかし、裏面レシピの工程通りに進めてしまうとあまり良いパンは出来ないでしょう。
パッケージのイメージ写真のような美味しそうなパンを作るためには、温度と発酵時間を調整する必要がありそうです。
ここで解説した方法を参考に、ぜひ美味しいパンを目指してパン作りを楽しんでください♪
2023/07/10
by BAKE FIRST(製パン科学研究家)